21世紀のヤンセン鳩舎代表種鳩ド・クランパー=B伝説的銘鳩ヨンゲ・メルクスの血を濃縮したこの灰胡麻は、ダイレクト・ヤンセンの血脈を後世に伝える使命を担っている。

▲ヤンセン兄弟のロフト・ブック。シンプルだが完璧である。
|
|
100年の歴史を結晶化 |
ド・クランパー。この97年生まれの灰胡麻が、現在のヤンセン鳩舎における最高種鳩である。ド・クランパーのブリーダーとしてのすばらしさは、その外観や手持ちがヤンセン・ピジョンとして最高の資質を持っていることのみならず、ヤンセン100年の歴史を一身に集め、結晶化した血統構成にある。
クランパーの父、ブラウエ・ヴィンテルヨンゲンは、ヤンセン鳩舎における90年代の代表種鳩。その資質の素晴らしさは、作出時期ではない1月に生まれるというハンディをものともせずヤンセン兄弟にセレクトされ、八大種鳩の1羽として君臨することになったことからも理解できる。その直子であるド・クランパーが21世紀の最高種鳩になったのは、父の資質を十全の意味で受け継ぎ、開花することに成功した、特別な1羽であると判断されたからに他ならない。
|
|
ヤンセンの輝きを伝える使命 |
それではヴィンテルヨンゲンからド・クランパーへと受け継がれた、ヤンセン鳩舎の最高種鳩になるような非凡な資質はどこからやってきたものだろうか。ここにはひとつのキーワードがある。数え切れないほどの銘鳩、銘血に彩られたヤンセン・ピジョンの歴史の中でも、名実共にひときわ輝く1羽の鳩。
ヨンゲ・メルクス
この美しい名を持つ銘鳩が、現在のヤンセン鳩舎の主流ラインを担っているといっても過言ではない。優勝15回を誇るヨンゲ・メルクスは、優勝18回という銘鳩アウデ・メルクスの直子である。異母兄弟には優勝18回のド・019がいる。このスター一族の中でも、ヨンゲ・メルクスの種鳩としての資質はずば抜けたものであった。直子には最高のレーサージッター=A孫にはアウデ・ラケット≠ウらにその直子のヨンゲ・ラケット≠ネど、直系に数え切れないほどの銘鳩を量産してみせ、このラインの優秀性を証明したのである。
ブラウエ・ヴィンテルヨンゲンは、ヨンゲ・メルクスの直孫交配。遺伝力の強い優れた血をより濃密に伝えるべく、作出された銘種鳩である。その直子であるド・クランパーは最後のダイレクト・ヤンセンの輝きを後世に伝える使命を持っている。ヤンセンを伝える使命。それは誇り高き歴史を担うことでもある。 |
|

鳩の血統を調べるルイ・ヤンセン。ヤンセン兄弟のロフト・ブック(鳩舎原簿)は、市販のノートを包装紙でカバーして作られている。このロフト・ブックの中には、ヤンセン100年の歴史がびっしりと詰まっている。
|
|
|