アンドレ・ファンブリアーナを栄光へと導いた基礎鳩アウデ・スティールの銘血は、長い時間を経る中で熟成していた。祖父の遺志を引き継ぎ自ら作り上げた鳩で、孫のパトリックが06年バルセロナN2位、INでも堂々、4位に入賞する。
祖父アンドレ・ファンブリアーナの最高傑作“バルセロナU”の銘血を駆使し、孫のパトリック(写真左)と良きパートナーとして活躍を支えるP.デルルー(写真右)は昨年のバルセロナNで2位、同IN4位に入賞した。
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| 復活を印象づける結果 |
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巨匠アンドレ・ファンブリアーナがこの世を去って8年の歳月が流れる。66年と84年の2回、バルセロナINを制し、“ミスター・バルセロナ”の異名を持っていた。20世紀のベルギー鳩界を代表する長距離スペシャリストの銘血は地域を越え、国を越えて浸透し、今なお多くの愛鳩家達の活躍に貢献している。
それでも、確立者自身が居なくなれば血をアピールするインパクトは弱まり、やがては“過去のもの”として時代の外へ置かれていく。
アンドレの存在をあらためて印象づけるニュースがヨーロッパを駆け巡ったのは06年7月7日に放鳩されたバルセロナINレースでの結果が発表された時だった。参加は2万2887羽。トップを含めオランダ勢が上位を占める中、上から4番目にデルルー―ファンブリアーナの登録名があった。
アンドレ・ファンブリアーナの孫、パトリックと名ハンドラーとして定評のあるデルルーのコンビによる大いなる成果を示すものだった。国内においては2番目の分速を記録し、偉大なる祖父が作り上げた銘系の復活を強く印象づける結果となった。
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2006年のバルセロナを勇躍
●“ルナ”
B04-3177330 BC ♀
パトリック・ファンブリアーナ作翔
06年バルセロナ N 11,802羽中2位
IN 22,887羽中4位
(実距離1,051.775K 分速1,187.09m)
リモージュ N 9,545羽中47位
※昨年のバルセロナN&INレースは 7月 7
日午前9時30分に放鳩された。P.ファンブリ
アーナの自鳩舎参加は10羽で、内第 7マー
クで投じたレーサーがトップで帰還しN2位、I
N4位に入賞する。 |
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| バルセロナUの近親ライン |
バルセロナへは、10羽の精鋭を投じていた。第7マークの灰胡麻のメスが力強く羽ばたき1番手として帰って来る。先に行われたリモージュNで、すでに力を発揮し、9545羽中47位に入賞する。確かな実績に期待を掛けていた。
パトリックが住む町ラウェは西フランドル州の西南部、フランス国境に近い所に位置する。東へ10キロ程行くと、かつて毛織物都市として栄えた古都コルトレイクがある。町には、訪れる者の懐かしさを誘う当時のままのバロック様式の建物が保存されている。
06年7月のバルセロナレースは、午前9時30分に放鳩された。実距離1051キロを分速1187メートルで帰ったパトリックのレーサーは04年生れの2歳鳩だった。血統内容にも納得がいく。祖父アンドレが長年かけて築き上げた銘血で構成されていた。
両親のラインを遡ると、両者には共通した鳩が登場してくる。84年のバルセロナINを制覇した“バルセロナU”と、“ヘスケルプト・スティール”が3代から4代前に確認できる。後者はバルセロナUの娘と基礎鳩ヘスケルプテンとの交配鳩だ。2羽の血流にバルセロナU半姉妹ラーテ・エレクトリックの娘の血が織り込まれていた。同じ鳩の名前が幾度も出てくる。バルセロナを雄飛した会心のレーサーはまさに祖父が誇る銘鳩バルセロナU近親から誕生していた。 |
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66年バルセロナIN優勝
★ローレア
B61-3068902 B ♂
A.ファンブリアーナ作翔 |

84年バルセロナIN優勝
★バルセロナU
B79-3429141 B ♂
A.ファンブリアーナ作翔
84年バルセロナN 1,044K
7,066羽中優勝
同 IN13,033羽中優勝
(血統下記参照) |
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| 祖父の遺志を受け継いで |
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1910年生まれのアンドレが鳩飼育に手を染めたのが16歳の時だった。ピジョン・スポーツへの情熱が深まる中、戦後ファンブリアーナの基礎を成したのが“アウデ・スティール”だ。オランダ語で「老いた雄牛」を意味する。
この鳩はレールス・ノルトに住むジュリアン・コミンヌが所有していた“シューウェン”と、オルセネに住み鳩のエキスパートとして知られていたレミ・ベノートの雌鳩との間から生れていた。
39年のアングレームN優勝鳩であり、秀逸なるCHブリーダーの血はファンブリアーナ初期の黄金時代を築いた4羽、“ヨング・スティール”、“ターザン”、“ズワルテン”、“コピー”にも受け継
がれていた。
66年、アンドレ56歳の時に初のバルセロナIN制覇をもたらした“ローレア”はヨング・スティールの孫にターザンとアウデ・スティール娘との交配鳩をクロスし生れている。ローレアの直子、“エレクトリック”の子にローレアの孫“モールナール”の直子を合わせて生れたのがバルセロナUだった。この鳩で2度目のバルセロナ制覇を成した時、アンドレは74歳になっていた。
アウデ・スティールの血を近親交配で固定化し、独自の血統を確立してきた。その祖父の遺志を受け継ぎ、孫のパトリックもまた、2羽のバルセロナIN優勝CHを誕生させたアウデ・スティールの近親ラインを駆使し、飛躍した。
死去して7年後、ベルギー鳩界の巨匠アンドレ・ファンブリアーナの銘血は、孫パトリックの下で、再び、偉大なる輝きを放った。
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★ヨング・スティール
B47-3355559 BC♂
A.ファンブリアーナ作翔
アウデ・スティール直子
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★エレクトリック
B67-3233953 B♂
A.ファンブリアーナ作翔
バルセロナUの祖父
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